腹を立てるより穏やかに

仕事でイライラすることが多くなってきた。
手抜きの仕事をする奴がいて、結局俺が後始末をしなければならない。手抜きする奴を罵倒する勇気もないので、仕方がないと諦め泣き寝入りである。
真面目に勉強しないで寝ている奴を見ると、呆れる。一人や二人なら目をつぶるが、何人もいると、腹が立ってくる。
だいたい、いつも腹を立てている。

こういう気持ちを引きずっているのは、精神的に良くないことだ。
僕がよく話を聞く坊さんは、
「鏡を見て、穏やかな表情をしているなら、方向性は間違っていない。
眉間に皺が寄ってくるようだったら、何か間違っている」
という話をよくされる。
今の僕は、きっと方向性が間違っているのだろう。
自分にどうしようもないことに腹を立て、その腹立ちを引きずってさらに精神疲労しているなんて、なんと無駄なことだろう。
そんなことはすっぱりと忘れて、もっと尊いことを考えるべきであろう。

世界は広い。
もっとたくさんの人たちを知り、すごい人たちを目の前にすれば、今の自分の不満など吹っ飛ぶことだろう。
選択肢が狭すぎるのは問題だ。多様性を認めない社会では、窒息してしまう。
子どもだって、多様性を認めない社会の犠牲になっている。狭い社会に閉じ込められて、自己否定に押し込められることの不幸を、子どもたちの死は悲鳴のように社会に訴えているではないか。
こうした悲劇をなくすためには、選択肢が多くなければならないと思う。
様々な個性や考え方が、正当に許容される社会でなければならないと思う。