おかしな奴が増えている?

近頃、都心部に引っ越した。
東京に来てから、かれこれ20年になる。
上京する前は、東京は物騒なところだから気をつけよ、と父母に注意されたものだが、
実際に来てみると、いたって安全だと感じていた。
基本的に東京は安心安全な街だと思われる。
というのも、これだけ雑多な人間が集合しているわけで、お互いに摩擦が起きないような暗黙のルールが浸透しているからであろう。「江戸しぐさ」以来のDNAなのかも。
それが、最近、なんか変な奴に遭遇する機会が増えた。
今日は、電車の中で目の前に立った男がイライラした態度を取り始め、最初は足が軽く触れたことを気に揉んだのか?と思っていた。それが、急に目の前で手首をぐりぐり回しはじめ、ケンカでもおっぱじめようかという雰囲気。
コイツ、かなりヤバイ。
下車駅に到着し、立ち上がると、耳元で、「いつまでも座ってんなよ」とボソっと囁いた。
何、それ?
ずっと立ち続けていたことに腹を立て、目の前の座席に座っていた人間を逆恨み?
昔は、そんなことを言う奴はいなかった。
 
ついひと月前も、駐輪場の出口を出たところで、高速で吹っ飛ばしてきた自転車と軽い接触をした。
こちらも一瞬のことでひやひやしたが、幸い足を車輪に踏まれただけで済んだ。
ところが。
なんと驚いたことに、その自転車の若い男が、Uターンして引き返してきたのである。
「てめぇ、オレの足にぶつかっておいて、知らんぷりしてんじゃねーよ」
というのが、その男の第一声であった。
まったく絵に描いたような「ゆすり・たかり」だった。
「う~ん、日本社会が一部の若者を低所得層に抑え込んでしまったために、その反動が来たな」とその時思った。
秋葉原で大量殺戮を行った青年も、確か「工場労働者に落ちぶれた」と自覚している若者であったように記憶する。
つまりプライドが高くて、その割に自尊感情が希薄な混迷する輩が増えている、というのが僕の見方である。
 
そういえば、一年以上前の2011年5月の連休のころ、信号待ちをしていたら、自転車の男が近づいてきて、
いきなり「この馬~鹿、変態」を何遍も繰り返し言ってきた。
 
「?」
 
こういう意味不明・理解不能の若者に、深淵なる恐怖を感じたことは確かである。