スローせくすってイッタイ

アダム徳永という人、先年新書がベストセラーとなり、「スローセックス」なる言葉が流行ったりしたようなのだが、
ちょっといかがわしい吾人と思っていた。
最近、動画でこの方のSックス指南ビデオを見てしまったのだが、いわゆるAVとどう違うのか。
つまり、指南めいていることを除けば、一般のAVとそう変わりはない印象である。
どこかのホームページでは、宗教めいていると書いてあったりしたのだが、
ここで問うべきなのは、なぜこの人の新書が一流どころのT摩書房から出版され、
しかもそれがヒットした理由の方だろう。
つまり、その背後にある時代的な文脈あるいは要請があり、その全貌を分析すべきなのだ。
 
この人の言っていることの要旨は、つまり、女にも性欲があり、その性欲を十全に引き出せよ男たち
みたいなことではないかと思う。
 
それにしても引っかかるのは、このような主張がヒットしてしまう時代的な文脈の方である。
性の問題は、かつビクトリア朝のイギリスでいびつな形でヒステリーとなって(おもに女性側に)顕在し、
その分析によってフロイトが世界的な地位を得たとのことだが、同じような意味で、現在の日本も抑圧された
性の趨勢があり、そこに相容れなかったおもに女たちが同調したのがアダム氏だったのではあるまいか。
この社会現象を読み解くことは、大変に重要な文化研究・社会分析なのではないか。