ADHDについて

ADHDの子どもの問題は、とても深刻だ。
そもそもADHDの定義がはっきりしない。素人にとっては意味が分からない。
大変幅の広い概念で、このような診断を受ける子どもの性質は、十人十色の感がある。そうはいっても、多動型であれ、注意欠損型であれ、或いは衝動的かつ暴力的傾向であれ、共通するものもある。これは多分医学的見地からの捉え方なのだろうが、「脳の中枢神経における障害によって引き起こされる発達の障害」という見方である。そう言ってしまうと、じゃあアスペルガーとの違いは何なんだ、とか、自閉症との違いは何なんだといった話にもなりそうだが、とにかく、ADHDは脳機能の障害によって引き起こされる発達障害である。そして、結果として、人格障害を引き起こす。
ADHDの子どもには、「主体」がない。脳内でアドレナリンが大量に放出されて興奮しているときは、大変暴力的になったりするが、その行為を後々記憶していない。責任主体がない。
こういう子どもを持つ母親に対して、「育て方が悪い」だの、「しつけがなってない」だのと批判することは、最も陥り易い陥穽だと言える。しつけの問題でかたがつくとは思えないからだ。
この障害が、あまり社会的に認知されているとは言い難いことも事実である。
また、この障害を背負う子どもをとりまく人たち、子どもも大人も含め、その苦労があまり社会に向けてアナウンスされていないように思う。書籍は増えつつある。この障害について、もっと啓蒙されていいように思う。