スケジュール手帳について

手帳の一つの役割はスケジュール管理にある。
スケジュールの存在理由は、未来の時間を管理することである。
であるなら、過去のスケジュールのページはもう不要ということになるだろう。
確かに、月日が進むにつれ、過去のスケジュールページはもう使うことがない。書き込まれない空白のページをも持ち歩く不経済を感じている方も少なくないはずだ。システム手帳なら、手帳の新陳代謝をはかることによって、こうした「ムダ」を省くことができる。

しかし、それは本当にムダなページなのだろうか。
過去のスケジュールページは不要なのだろうか。

綴じ手帳の場合、一年が終わるまで、過去のスケジュールページは切り離されることなく持ち歩かれる。
しかしそれはムダなのではなく、過去の貴重な記録として残るもの、かつ必要に応じて参照されるものなのではないだろうか。
手帳は、英語ではDiaryと表記される。
つまり日記という意味だ。
日記、すなわち日々の記録。
過去の日々の記録として、手帳の過去の記述は参照されるものとなる。
ぼくは「三色ボールペン情報活用術」を利用している。未来の予定は三色で記述している。
青・・・未来の予定(仕事)
赤・・・重要な予定(仕事)
緑・・・私的な予定
そして、過去の記録として起こった出来事を日記的なメモとして記述する場合は黒を使う。
一冊のノートをスケジュール管理と日記を兼ねて使う場合、こうした色の区別が有効である。
こうした手帳の役割を意識すると、どうしても、新陳代謝してしまうシステム手帳は便利に見えて少しも便利ではない。コンパクトな綴じ手帳の可能性を最大限に活用する方が、かえって利は増すのである。