時代と音楽と、音楽の死と

「音楽は時代を映す鏡」だという。

PRINCEは革命的で本当の天才!名盤Purple Rainの中からマーティが選んだ一曲とは!?【1985年】 - YouTube

確かに。そうであれば、ミュージシャンは時代の空気を読み取り、新しい音楽を常に創造することが求められる。

自分のような素人は過去のヒット曲をコピーするくらいしかできないが。(だから、オリジナル曲を作るバンドの人たちにはちょっと及び難いというか、ハードルの高さを感じている。)

でも、多くのミュージシャンは過去の曲を演奏している。あれって自分の曲ではあっても、基本的にコピーと変わらないのではないだろうか? 過去の自分をコピーしているのである。セルフ・カヴァーと言い換えても意味がない。

最も、ミュージシャンも商売しなければならないから、自分の過去のヒット曲を演奏して、お客さんに来てもらわなければならない。そういう理由もあるだろう。

でも、新しい曲を作れなくなったら、ミュージシャンも我々素人のコピーとそう変わらないんじゃないだろうか? 演奏能力に違いはあるとしても、その精神性において。

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これも古い曲だが、リズムやメロディを実験的に組み合わせながら、曲を作っていったんじゃないか?と想像する。誰でも口ずさめるメロディ、軽快なリズム、ギターの味付けなど。そう言う創造に情熱を注ぐことがミュージシャンの本分かもしれない。

それを言うなら、ビートルズこそ実験の数々を高いレベルで完成させてきたグループだろう。

The Beatles - A Day In The Life - YouTube

音楽の精神性といくことで、今更ながら注目したいのはPrinceだ。

多くのミュージシャンが彼を「天才」と言い、クラプトンにとっては「一条の光だった」とコメントしている。確か90年代にプリンスが来日公演を行った時、テレビで放送されたのだが、その間に挟まれてプリンス批評をしていたアーティストの一人がクラプトンだった。ブルースのクラプトンが、どうしてプリンスを批評するのかその時はよくわからなかったし、その後もよくわからなかったが、プリンスが亡くなった時の追悼記事を読むと、当時音楽ビジネスに嫌気がさしアル中だったクラプトンがカナダで映画「パープルレイン」を見て感激し、ビールの空缶が転がるホテルの部屋に戻ってHolly Motherを書いたという。

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Eric Clapton - Holy Mother HQ Live in Birmingham, England July 1986 - YouTube

何か、精神のリレーとも言えるようなミュージシャン同士のスピリチュアルな繋がりに感動する。いや、それは別にミュージシャン同士でなくとも、我々一般人にとっても、十分すぎるほどスピリチュアルな繋がりを与えてくれるものだろう。

音楽が、そのようなスピリチュアルな意味合いを失い、商業的な記号として消費されるだけになったなら、音楽は死を迎えることになるのだろう。