多崎つくるを読み終えた

イメージ 1

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読み終えた。
多崎つくるが、まるで自分のように感じられた。
自分という存在が、春樹さんには見通されているように思われた。
きっと現代人の中に共通するものがあり、それを具体的な形にして春樹さんは見せてくれているのだろう。
個別性から普遍性に通ずる道を具現化するところに小説の力があり、春樹さんの小説にはそれがあると思う。
だから、百年後の人たちが、春樹さんの小説を読めば、この時代を生きる人間の姿が凡そ分かることになる。その意味で、春樹さんの小説は時代の大きな遺産となるに違いない。
この夏は、読書に邁進しようと思っているが、休日もなかなかじっくり本を読むことができない。
あまり人と会うことに積極的ではなくなってしまったので、自分ひとりでできることに勤しみたい。