邂逅を探して

人の話を聞くのが苦手だ。
そんな話どうだっていいじゃないかといった、他愛もない話をみんな真剣にやっている。
もっと他に話すことはないのだろうか?
そういう自分には何か話したいことがあるのかといえば、あるともないともどっちつかず。


ミーティングでは話を聞くだけだが、けっこう面白い。
そういう話のできる場があるのは、今の自分にとっての救いだ。
世界にはもっと多様な価値観や生き方を実践している人がいると夢見ていたが、本当にそんな人たちはいるのだろうか?
どこを見ても、金太郎飴のような人間ばかりに見える。
韜晦と欺瞞。
社交と建前。
本音を隠した笑み。
個の埋没した集団同調型の人たち。
これは、この国の大きな問題だろうと思う。
学校も会社も同じことである。
表向きの建前とは別に、裏の道理で動いている世界がある。
表はロジックの世界、裏はロジックを嘲笑い、集団主義が跋扈する世界。
裏社会がそうであるように、それは表の世界の合わせ鏡でもある。
だから、表向きの建前も、裏の不合理な世界も、画然とは分かちがたいのかも知れない。
しかし、このように二つの世界を対比することは今もって有効な気がする。

今の生活を続けていても、どこにも突破口がないような気もしてきた。
求めているのは、これまで出会ってこなかったタイプの人たちとの邂逅だ。
そういう存在と出会うことで、救われるような気がするのである。
個として屹立して生きる覚悟のできている人。
ロジックを持っており、的確に言葉で表現でき、主張できる人。
表側の住人。