楽器演奏の極意は脱力

楽器演奏上のコツとして「無駄な力を入れない」ことがある。
昔、ギターを習い始めた頃に、講師の先生に言われた言葉だが、30年近く経った今になってその言葉を反芻するようになった。
ギターのピッキングについて、これは鉄則であろう。
フォームを作るだけで力んでしまうようではだめである。(フォームを作ろうと意識すると、却って力んでしまうことに注意する必要がある)
「自然体」と言える、赤子が寝ているときに手のひらをやわらかく握るような形が「自然体」だとすれば、そこにヒントがあると言える。
× フォームを作る(≒力を入れる)→弦を弾く (←ダメなやり方)
〇 自然体の手の形→弦を弾くに合わせて、必要なだけの力を入れている (←理想のやり方)

例えば金管楽器を吹く場合も、アンブシュアを作り過ぎて、不必要な力が唇の周囲に入ってしまうということが起こる。本来、唇は、柔らかく、繊細な状態を保っていなければならない。弱い息にも敏感に反応できる柔らかい唇でなければならない。
だから、バズィングなども、唇全体を力ませてブーブー言わせているのはダメで、悪い癖をつけるだけだろう。
マウスピースのカップの中に息を入れるとき、唇の中心に息の通り道であるアパチュアが開いて、息の強さに応じて反応することが理想だろう。そのためには、いかに力を入れないかという練習をしなければならない。力を抜くというのは、案外難しいことだ。
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余計な力を抜いて、脱力した状態をデフォルトとして、そこから必要に応じて必要なところに力が入れられるようにすること。それが大切だ。