ギターを始めた頃の思い出

ここ2、3日はギターをちょこちょこ弾いている。
個人的には70年代のロック、ハードロック、プログレッシブロックが面白い。
BOSTONやThe Doobie Brothersとか。あと初期のAORとか。
日本のものだと、90年代だろうか。80年代のアイドル時代を脱皮し、イカ天の登場でアマチュアバンドが台頭し、音楽的にかなり洗練されていった時代だ。まだJ-POPという言葉もなかった。
ギターが少年小僧たちの必須アイテムだったのもこの頃だ。
団塊ジュニア世代がたくさんいたから、ギター業界も相当潤っていた時代だったろう。(今は、ギターが売れない時代なのではないかとちょっと心配してしまう。ギブソンも経営破綻したことだし。あっ、日本の状況とは関係ないか・・・?!)

僕も御多分にもれず、ギターを手にした小僧の一人だった。
当時はネットなどなかったから、情報が少なく、音楽雑誌や数少ない教則本が頼りだった。
Charの少年時代に比べたら情報は各段に多かったのだろう。
テレビでギタリストの演奏を見ることもできた。
ストーンズの武道館公演がテレビで流れたのもその頃だった。
それにしても、ギターの弾き方をどう学ぶかは、やはり未知だった。
ギターは両親にねだって買ってもらった。それはいいのだが、どうやって弾けばいいかわからない。
コードという概念も知らなかった。
それで、ギターを教えてもらいに音楽教室に通い始めた。
そこで「小林克己のギター教室」という教則本を与えられ、附属のカセットテープを聞きながら、練習曲を1から練習していった。教室はグループレッスンだったので、進度は人それぞれ。先を進んでいる人もいれば、僕のように新入りでまだ何も分からない輩もいる。
そんな中で、ピッキングに始まり、チョーキング、プリング、スライド、グリッサンド、コードといった基礎的な指導を受けた。
ピッキングで覚えているのは、手首に角度をつけないで、手首をべたっとボディに乗せて弾くように言われたことだ。
この弾き方は、後で自分の中で大きな誤解となって苦労した。自己流の矯正トレーニングを試したりしたが、結局あまり上手くいかなかったような気がする。
そのうち、クラプトンやイングヴェイのライブビデオを手に入れて、研究し始めた。
今になって言えることは、当時の先生が言ったピッキングの方法は、決して間違ってはいなかったということだ。今も多くの教則本には似たことが書いてあるし、王道すぎるくらい王道な方法だが、読む方が勝手に色づけして解釈してしまうために、様々な誤解が生じてきている部分だろうとも思う。
僕なりに説明するとこうなる。
・ピックを浅くもつ/深くもつ、という問題は理屈で考えなくてよい。手指の大こきさは人それぞれで、無意識に調整される問題である。
・親指と人さし指の側面でもつ。残りの指をグーにするかパーにするかという問題がよく語られるが、その問い方が大きな誤解を生むように思われる。あれはグーかパーかといった二者択一的な問題なのではない。パーにしているように見えても、あれはパーではないのである。
・グーというより、正確に言えば、手を軽く握っているのが自然体だということだろう。その時、ピックは人さし指の先の側面部分と親指の腹で押さえるような恰好になるのだ。
・よく、ピックを握るときは弦の抵抗を逃がしてやるために、遊びが必要だと説く人がいるが、そうではない。単音弾きでは、弦の抵抗がしっかりと感じられるように弾くことになるはずだ。イングヴェイは、生音でもペキペキと音が響くくらい弦を弾いているではない! もちろん、ピックをがっちりと固定してしまうわけではないが、上記の持ちかたをすれば、ある程度ピックは広くホールドされ、遊びは必要最小限になる。

最後に、昔の曲だが、誰でも一度は聴いたことがある名曲をどうぞ。