散歩の日々

今週は、これまであまり行くことの無かった場所に散歩がてら出掛けてみた。
一つは、森鴎外記念館。
観潮楼と名付けられた鷗外の屋敷跡に建つ現代的な建物だった。
展示物で印象に残ったのは、二度目の結婚相手が年が離れ、かつまた美人であったことを友人に、「年甲斐もなく美術品のような妻をもらい・・・」と弁明?するように書簡に書いていることだ。
帰り、ラッキーカレーという店を通りかかった。『君たちはどう生きるか』の原画展をやっていて驚いた。
またどうしてこんなところにあるカレー屋に、今をときめく書籍の原画が置いてあるのだろう?
興味はあったが、食事するほど腹が減っていたわけではなかったので、中には入らず。
また、雑司ヶ谷霊園にも行ってみた。
霊園に興味があったというより、漱石の墓でも見てこようという物好きである。
ついでだったので、荷風やジョン万次郎、鏡花の墓にも立ち寄る。
暑い午後の日盛りの中、蚊に刺されながら酔狂なひと時をもった。
帰りは池袋まで歩いた。昭和の匂いが残る東通りは、オシャレな店も混在し、興味深かった。

少し長めの盆休みは、読書とジム通いと散歩ばかりしている。
仕事のことはあまり考えないようにしているが、休みの時間が長くなると生活リズムが弛緩したゴムのようになり、同時に仕事に駆り立てられるような不愉快な焦燥感がよみがえって来る。
休日を満喫できない貧乏性が、ここにきて頭をもたげてきた感じだ。仕事のことを考えても、何の希望も湧いてこず、苦役のように思えてくる。
夏休みの終わりに宿題に追われる子どもの気持ちに近いといったらいいだろうか。