カジュアルステーショナリーを標榜する理由

手帳やノートの使い方については、様々なアイデアが提案されていて、とても興味深い。
しかし使い方の決まりのようなものを決めてしまうと、なんだか小難しくなってしまって、近寄りがたくなってしまう。
「シンプル イズ ベスト」ではなかろうか。「紙とペン」さえあれば、まずはOKだと思う。
手帳がなければ、メモ帳に書けばいいのだし、メモ帳がなければ、反故になったコピー用紙の裏を使えばいいような気がする。書くべきことは「今あたまの中にあってすぐに消えそうな着想」だ。
分類などせず、ただ、思いつくままにメモしたい。
書く必要があるのかどうかなんか気にせず書きなぐりたい。
そういう意味では、高価なノートはメモ帳にしづらい。モールスキンはメモ帳としては相応しくない。これは書くべき価値があるだろうか?と一瞬躊躇してしまいそうだから。
最高なのは、小さなノートやリングメモである。
A6ノート(100円ノート)やA7リングメモは嵩張らないので携帯しやすく、かつ使い捨てでき、使い潰せる。いずれも、どこのコンビニでも購入できるのがありがたい。
ボナ植木氏が提案した方法は、ぼくにとってはいちばん納得いくものだった。『書斎がいらないマジック整理術』(講談社α新書)はもう絶版になっているけど、興味ある人は一読してみては。

* * *

で、もうひとつ言えば、高級万年筆も、高級ボールペンも実用的ではないとぼくは思っています。失くしたら冷や汗かくような筆記具は、携帯に不向きです。
日本の文房具メーカーは優秀なので、書き味は決してひけをとらない優れたペンを数百円で販売しています。国産文具がいかにレベルが高いかは、世界を旅してみれば分かります。

まずは手書きで書く利点をよく理解して、常に紙と筆記具を持ち歩くことではないでしょうか。
ぼくはここ5年ほど、外出時にペンと紙をハズしたことがありません。
手帳はなんでもいい。ノートもなんだっていい。
で、思いついたアイデアは記録すべきです。気になっていることはメモしましょう。いちいち整理する必要はないのかもしれない。ロディアなら、ちぎってノートに貼れるしね。
そして、自分の思考の記録をスクラップしましょう。自分の疑問を書き残しておきましょう。そういうのを知的生活と言うのではないでしょうか。ノート術とは、自分の疑問を簡単に忘れない技術なのではないか?と思っています。