某区の「ナイトスペシャル」について

某区の民間出身の校長が、放課後の教室で、塾と提携して有料の講習を行うという提案を行った。
都教委は「ちょっと待った」をかけたのだが、その区の教育委員会がバックアップし、26日から講習が始まると言う。(なんてリベラルな区だろうか。まず、その教育委員会の人たちの頭の柔軟さに敬意を表するよ。)
問題にされたのは、公教育の場で教育の機会均等の原則が守られるか否かという点である。
僕は基本的に、この試みに賛成だ。
課題の多い試みになるだろうことは間違いない。それでも、教育現場のこうした先進的な試みには、弊害以上の果実がある。「なにもわざわざ批判されてまですることないよ」という保守的な教育現場にあって、先進的な取り組みに打って出るという意欲や主体性こそ大切なのだ。その意欲を買うことができなければ、学校現場は所詮役所的な機関でしかなくなる。問題を自ら解決したり乗り越えたりするようなバイタリティーは失われるばかりだろう。そんなことであってはならないのである。今、公教育に欠けているのは、こうしたバイタリティーだと僕は考えている。

慎重派の方々は、もっともらしいことを言ってこの試みを退けようとするだろう。しかし、それは無難な選択をしているだけであって、問題を本質的に解決しようとする勇敢さを持たないひ弱な態度である。彼らは、公共教育の公正さを保つ工夫を提言すべきなのであって、この試みを潰すべきではない。
部活では外部の指導員を安易に受け入れているくせに、ことが勉強となると妙な慎重論を述べて現場を硬直させる言論人は、単なる「事なかれ主義」の無責任者だと僕には思われる。
藤原さんのような「自由な(そう見えるだけかも)」立場からの発想や改革意欲が本当に大切なんだと思う。がちがちの官僚化した管理職からは、改革なんて生まれてこない。その可能性すらない。

先日管理職に言われたのは、
「職員会議は話し合いの場じゃない。本来なら校長の判断だけでいい。でもそれじゃ具合が悪いから、形だけやっているに過ぎない」
という言葉。
まったくやる気など湧かない。
お願いだから、もうちょっとマシなことを言って欲しい。