全国学力調査が実施された

昨日、全国学力調査が実施された。
全国の小中学校教員にとっては周知のことである。もちろん、メディアでも取り上げられたので、一般の方でご存知の方も多いだろう。
この調査は、いったい何のために行われたのだろうか。
これは、一日の授業を潰したというだけでなく、血税をはたいて準備され、かつ処理される、膨大な事務作業を必要とした一大事業なはずである。
しかも43年ぶりの調査ということだ。
教員である自分すら経験したことのない調査。
おそらく保護者たちも経験したことのない調査。
文部科学省によれば、調査の目的は「教育委員会や学校が教育の成果と課題をつかむ」ことなのだそうだ。
へぇ~。はじめて知ったよ。今日の朝日新聞の社説を読んで。

昨日ぼくは、この試験に関する業務に携わったけれど、全然知らなんだ。
都では、今年の1月に中学二年生を対象とした一斉学力調査が行われたことが記憶に新しい。
また、全国の中学二年から三年生は、学校毎に民間委託した学力テストを行ったりもしているだろう。
子どもたちの学力を知るという名目で、偏差値が抹消された現代においても様々な調査は温存されているわけで・・・それでは不十分なのでしょうか?
逆に言えば、
この43年間は、「教育委員会や学校が教育の成果と課題をつかむ」ことが出来なかったのですか???

ゆとり教育への批判は、世論を巻き込んで、否定的な意見の嵐です。
こんなことやっとっていいんかボケェ、みたいな声が渦巻いているかのようです。
でも、この施策が始まって、まだ数年しか経っていないんですね。
このことは、皆がよく理解しておくべきだと思います。
ゆとり教育は、始まってまだ数年です。

「教育は百年の計」のはずではなかったですか?
結果を性急に求めすぎてはいませんか?

(教育に対する「哲学」というか、ポリシーなさすぎじゃありません?)

時代の流れははやすぎて、ついていくのがやっとです。
安部政権は、「学校バウチャー」を公約に掲げています。
つまり、学校間の競争を促して、学校全体のレベルを上げようということです。
学校は競争原理で良くなるはずだ、という前提がそこにはあります。

本当にそうですか?

学校は、誰と競争すればいいのですか?
何のために競争するのですか?
そもそも何を競うのですか?
そして、競争すると、どんないいことがあるのですか?

ぼくは、ダメダメな生徒がわりと好きです。(ダメダメ生徒を避けたい先生とは基本的に意見が合わない。)

競争は、一つの原理です。
それ自体に、良いも悪いもありません。
教育は、どのような原理を必要とするのでしょうか?
競争原理でしょうか?

その問いに対する答えの質の高さが、これからの日本の未来を決定します。