タバコを試して

タバコのPALL MALLはあまり好きになれなかった。
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3本ほど吸ってゴミ箱にポイした。
赤マルと似た印象で好きになれなかった。
口の中が荒れる感じがする。気管支がいがらっぽい。
昔はタバコが手放せなかったが、今ではなんでこんなものを夢中で吸っていたのかと不思議に思う。
タバコがこんな味しかしないのなら、どうしてこんなに愛煙家なるものが存在するのか?
きっとどこかに、もっと高級な香りのする、気品に溢れた、嗜好品の名にふさわしいタバコが存在するのではないか。

十数年前にタバコ中毒だったころ、僕が常喫していたタバコは金マルである。
赤マルは好きになれなかったが、金マルはOKだった。吸いやすかったのだ。
僕はインドの旅にも大量の金マルを持参した。
運転手に「お前吸い過ぎだよ」と注意されたことを覚えている。

香りがいいなと思ったタバコもある。
ロスマンズ。これはECの影響もあったが、香りが良かった。
途中で廃盤になり、また味も少し変わってしまって、アメリカンブレンドタイプ(つまり赤マル系)の雑味の立った味になってしまい残念だった。
それで、金マルに落ち着いたというわけである。

十数年ぶりにタバコを吸って、ゴロワーズ・レジェールは、「ふふふん、なんだか懐かしい感じ」と思いつつ、
もうタバコは吸わなくていいよという思いを新たにし、
ポールモールで懲りて、もうタバコなんて吸うものかと腹立たしい気持ちになったが、
今日ジタン・カポラルに手を出してしまった。
どうしても、このタバコを吸わないと、永遠に手がかりを失いそうな気がしたのである。
(何の手がかりか自分でも分からないけれど・・・)
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ネットの情報では、ルパン三世ジョン・レノン紅の豚が吸っているタバコだとか。
それでつい手を出してしまった。

感想。
煙が柔らかく優しい。
堆肥臭がするとの評判だが、ゴロワーズ・レジェールと同じく「懐かしい」感じがした。
明らかにアメリカン・ブレンドの対極にあるタバコで、上品な煙である。
そうか、自分は黒タバコが好きなのだ、と思った。
やはり、タバコを常喫したいとまでは思わない。
これからも、タバコなしの生活で困らない。実際、喉や鼻腔がヒリヒリしてきて(ポールモールの罪が大きい)、やっぱり禁煙生活の方が楽である。
それでも、人類がなぜタバコという嗜好品を作り出し、フランス人がタバコ文化を大切にしているのか。その理由の一端を突き止めたような気がした。
答えは黒タバコである。
単なるアイテムとしてではなく、その味と香りのよさが(常喫してハマれば)理解できるタバコであろう。
(逆に、どうして赤マルやポールモールが支持されるのか、よく分からないのだが)
それと、昔ジタンの他の種類を吸ったときは、正直マジぃと思った記憶がある。
あれは黒タバコではなく、アメリカンブレンドだったのだろう。
あと、タバコに印刷された文字が、薄墨のインクで、何とも可憐な感じがする。
こんなところにも、心憎さを感じる。
もう、他の銘柄のタバコを試してみたいとは思わない。
ムッシュかまやつ氏の死を悼みゴロワーズから始まったタバコの旅に、ひとまず終止符を打つことにした。