書くと話すは違う

昨日ある会に参加して、いろいろ意見を述べる機会があった。
これまでは、文章を書くことも人前で話すことも、どちらも出力する点では同じじゃないかと思っていたが、やはり違う行為であると悟った。
書く場合、時間が与えられており、構成や表現を練ることができる。
しかし話す場合、瞬間的に内容を整理し、ポイントを絞って話さなければならない。
あれもこれも話すと相手も飽きてしまうし、話の要点が伝わらなかったり、脱線する恐れもあるから、重要な点に絞って効果的に表現しなければならない。
相手が目の前にいるので、相手に伝わるように配慮しなければならない。
もちろん書く場合だって読者を想定して書くわけだが、話す場面では生きた相手が目の前にいるわけである。
具体的な相手に合わせながら話さなければならないという点で、相手意識がより必要だ。
相手を見据えながら、瞬間的にポイントを絞って効果的に話していかなければならない。
かなり瞬発力の要る作業である。
そういう意味で、対話を積み重ねることはとても意義深い。
単なるお喋りとも違って、論じることを中核に据えながら、互いの意見を交換し合ってく。
それにしても、参加している皆さんも(年齢・男女問わず)こういう喋り場に興味を持ち、楽しんでいらっしゃることも分かった。市井の名もなき人たちが、知的な対話のできる場所を必要としている。
そのことだけで、何か胸が熱くなる思いがした。