語らいの場

ミーティングに参加する。
様々な人が寄り集い、思い思いのことを語り、すべての人が語り終わると解散する。
こういう集いって、いいなと思う。

今の時代、どこに語り合いの場がある?
会社? 学校? カルチャースクール?
確かに、そこでは皆おしゃべりをする。でも、そういうおしゃべりとはちょっと違う。
どこか、その人の存在の核に、ちょっとだけ触れるような語らいである。
そういう場は、現実的にそう多くはない。

皆が自分の心の傷を持ち寄って、自分の心にある思いをちょっとずつ披瀝し合うところに、その良さがあるのだろうと思う。


いろいろな人間が集まって、ちょっとずつ誰のためでもなく自分のために語る。
その語りが、他の人にとってちょっとしたヒントを与えるものだったり、生きる希望につながるようなことだってあるかも知れない。
そういう集いは、しっとりとした落ち着きがあって、居心地がいい。
ちょうど小さな音楽の演奏会が、アーティストの心を音として披瀝してくれているのにも似て。

懐かしい友だちとの再会に心が浮き浮きして、積もる話に花が咲くような語らいの場もいい。
憧れの人や思いを寄せる誰かが傍にいて、その人の存在に心の芯から熱くなり、ぼーっとしてしまうのも素晴らしい。
生きているということを、新鮮な気持ちで捉え直すことができる。
人が集まることで心が熱くなったり楽しくなったりすることは、そう多くはないのだ。
だからこそ、とても貴重なのだと思う。