人の真価

今日の動画はこちら。

SADEは、どの曲を聴いてもどれも同じに聞こえてしまう。
曲を聴くというより、SADEを聴くというべきか。
SADEを知ったのは中学生くらいの頃で、まだ子どもだったせいか、よくわからなかったけれど、
この2011年のライブ映像を見てみると、この人の音楽は他の誰とも似ていないのだなと感じる。
まさに、唯一無二なのだ。
気怠く、甘く、蠱惑的で、透明感がある。
SADEの音楽は、トータルにプロデュースされた小宇宙であり、世界観である。

こういうことは、よくある。
長く続けているうちに、その人の真価というものが現れる。
仕事でもそうだ。
はじめはどんな人かわからないから、いろいろな仕事をあてがわれるが、そのうちに、どの人が仕事ができて、どの人ができないのか、時間のリトマス紙によって、露わになる。
大切なのは、一定の時間を経てこそわかるということだ。

職場や学校において年度の始めは、新しい出会いの季節と言える。
始めは、どの人がどんな人なのか、まるで分らない。
しかし、時間を経るにしたがって、その人がどんな人なのか、何がしたい人なのか、どんな世界観で、どんな価値観を持っているのかが見えてくる。真価が現れる。
もちろん、時間のスパンは、1年であったり、それ以上必要だったりもするだろう。
ほんのちょっと、氷山の一角のような形でしか、その人の真価が見えなかったりもする。
もっと長い時間をかけて見ないと、それが氷山なのか、浮いた氷なのか、分からなかったりもする。
いずれにしても、本当に優れている人かどうかは、時間のリトマス試験紙が必要だろうということ。

100分で名著(NHK)のガンディーの回を見ている。
ガンディも面白いが、中島岳志氏の解説も面白い。中島氏は、これまでも様々な場面で日本の歴史に言及してきたが、ガンディ研究者としても面白く、多彩な人だと思う。
今日のテーマは、人の真価ということだが、中島氏のことを少し念頭に置いて書いた。