帰宅してほっとする日々

今日で寺島塾の講義が終了。
全部で6回の講義があった。講師によって、理解できるものも理解できないものもあったが、いずれにしても、こうした講義の席に他のサラリーマンの方々と一緒になって話を聴けたことがよかった。
今の日本はどうなのか、世界はどう動いているのか、といったことを真面目に話す場所なんて、そうはない。会社も学校も、閉塞的なのではないだろうか。
だから、こうした話題の飛び交う場所に身を置くことができたのは、いい気晴らしになった。
会場は、戦後の混乱期に鈴木大拙を講師に招いて、財界人たちが日本の復興について考えるスタート地点となった場所だったそうである。
世界の大きな転換期を迎えている現在、ここでの講義が戦後第二の大きな意味ある地点となるのだろうか。

ノンアルコールな生活を始めてひと月以上経つが、それは同時に人の話を聞くことの多い日々でもあった。これからも、人の話を聞くことを課題にしていくつもりだ。
それにしても、講義を聴いているとき突然飲酒欲求が湧いてきた。理由もなく、ひょいと垣根を飛び越えてしえるような錯覚に陥った。もちろん、飲んだりはしなかった。
欲求を制したのは、今のノンアルコールな生活を守りたかったということに尽きる。せっかく止めているのに、ここでフイにしてしまうのは勿体ないという感覚があったからだ。
そういえば、朝もちょっと飲んだ自分を想像した。通勤の途上で。歩きながら、不意に頭に浮かんできた。飲んで馬鹿な方向に突っ走っている自分を、頭の中でバーチャルに追体験した。想像の中で、アルコールが体に入っても、何かが大きく変わってしまう感じはしなかった。実際に飲んだ時もそうだったと思う。
しかし、理性のハードルは低くなる。平気で垣根を乗り越えてしまうのだ。その衝動的かつ暴力的な内部から突き上げてくる欲望を、通勤途上の僕は、しらふの頭で追体験してみた。そうだ、酒を飲むと自分はこうなるんだなと思った。

何も片付かないような気持ちで、これから年末の忙しい時期を乗り越えなければならない。
なんとか乗り切れるだろうか? そんな不安な気持ちを抱えながら仕事に向かい、帰宅してはほっとする毎日である。
もう11月も終わり、明日から師走。
今、目の前にある課題を一つ一つやり遂げていくことに専心するしかない。