変わりゆく街の風景とともに

今日の〇(まる)
断酒して三週間。今のところ特に苦しくもなく断酒できている。
まともな生活ができているのだと思うと嬉しい。これもすべてはミーティングのおかげだと思う。
自分一人で酒をやめようと思っても、なかなかびしっとやめることができなかった。それがアルコール依存というものか。
この週末は思いがけない仕事が降ってきて、自分がやらなければならないことになり、精神的なプレッシャーもあったが無事に務めを果たすことができ、今はほっとしている。(思わず、今日は帰ってビールだな、と一瞬頭の中をよぎったことを白状せねばなるまい)
今日は、もう疲れてミーティングに行く元気がない。
ドリップ式のコーヒーを淹れて飲んでいる。そういう夜も悪くない。

今日の×(ばつ)
酒に溺れていた頃、酔っぱらって街を徘徊していたときに会ったことのある人と偶然すれ違った。
向こうがこちらの顔を覚えていたかどうかは分からないが、きっと覚えているだろう。
自分の負の記憶は、自分だけのものではなく、それを知っている他人がいるのだと思った。
僕はその人を傷つけはしなかった。しかし、恥ずかしい気持ちがした。
その人は、僕をどんな目で見ていただろうか。不思議な思いで僕を見ただろう。あの酔っ払いとこの男が果たして同一人物かと。
すべては想像だ。お互いに目が一瞬合ったが、僕は視線を振り切りそそくさと先を急いだ。
ベランダ越しに見えていたタワーが、今日見えなくなっていることに気づく。ビルが建設されているようだ。街の変化とともに変わりゆくベランダの眺め哉。