浅田真央、復活のニュース

浅田真央ちゃん復活の話題が今日のテレビの話題。
しかし結果は2位。
1位は安藤美姫。「6年振りの女王奪還」である。
どうしてニュースは安藤の「6年振り」を表看板にして報道しないのであろう?
どの局も2位の浅田の「完全復活」にこそニュース価値があると判断しているようなのである。これは民放だけでなく、NHKでさえそうなのだ。
ニュースというのは、そのときどきにおける価値付けを反映している。「犬が人間に噛み付いてもニュースにならないが、人間が犬に噛み付いたらニュースになる」という文をどこかで読んだ(池上彰が書いていたかも?)。
つまり、今の視聴者は安藤より浅田に注目している(と放送局が判断している)ということだ。
なぜ、それほど浅田真央に世間の耳目が集まるのだろう? 「バンクーバーオリンピックで銀をとったから」では多分ない。バンクーバー以前からも日本フィギア界は浅田一辺倒の報道になっていたし、CM出演だって浅田は引っ張りだこだったのだから。
浅田本人にしてみたら、何をやってもこれほど全国規模にニュースにされてしまうという状況の中で、十代からずっとスケート人生を送っているということだ。
若い真央ちゃんは、きっとメディア報道の重圧とどう折り合いをつけていくか、ということを考えながらスケートをやってきたのではないだろうか? スケートを楽しめなくなってもそれを顔に出せないし、楽しむどころか使命になってしまっている。その息苦しさの中で、結果を出すことのみを求められ続けているのだ。
まだ弱冠二十歳。考えてみれば、考えるまでもなく、この少女は稀有な人生を歩むことを余儀なくされているのである。