30代引きこもり受難の時代のニュースを見て

今日の夕方のNHKニュースで、30代の引きこもり経験者の社会復帰についての特集を見た。
まず、言いたいことは、この世代の引きこもり傾向は、個人の好みの問題ではなく、時代の流れに押し流された結果としてそうなってしまったにちがいないということだ。
ぼくも20代前半は引きこもりだったので、よく分かる。引きこもりの問題について、最も早く敏感に反応した中の一人だと、自分的には思う。
僕は引きこもりから脱することができた。それは別に自分の能力の問題ではない。セーフティーネットとしての家庭の存在、友人たちの支援や援助、あるいは就職=雇用の機会の有無、恋人の存在・・・etc.自分を救ったものは、いろいろとある。
ぼーっとしているうちに、引きこもりになってしまうのではない。社会の圧力に屈する形で、人は引きこもらざるを得なくなってしまうのだ。ただ、今は、その圧力の正体を正しく分析する言葉がないだけのことである。
一見平和に見える私たちの社会は、人から言葉を奪い、意欲を奪い、何かを発言することも、矛盾を批判する権利も剥奪してしまう。そう生きることを、なぜだか強いてしまう社会なのである。その圧力から逃れ、あるいは自由を行使できる人たちは、多分生まれながらの特権を得ている人たちだ。
おそらくこれは、日本が階級社会になってしまったことと無関係ではない。
階級格差を生む社会は、きっとかならず、こうした圧力を内在させてきたのだ。
一億総中流の幻想が崩壊し、格差社会となってしまった現代日本
僕から言えることは、無言を強いるあらゆる圧力から自由たれ、ということのみだ。