大河の一滴はいいですぜ

日々、いろいろなことに追いまくられている。
今日はこれをしなければならない。今週中にあれを終わらせなければならない。それと同時進行で、この件も解決しなくてはならないし、仕事以外にもプライベートでやるべきことが山ほどある。
朝はだいたい憂鬱だ。仕事に行くのが億劫に思われる。
しかし、仕事は気分が乗ったときだけするものではない。義務と責任の観念が、朝のけだるさをおして仕事に向かわせるのである。
しかし面白いことに、いったん仕事が始まれば、こうしたら面白いだろうということにより多く首を突っ込んでしまう。義務感でやる仕事は、実はあまり多くない。
おそらく人様が自分の仕事を褒めてくれる部分があるとすれば、そういう余計な仕事の部分だろうと思う。これは、きっとどんな仕事にも当てはまるだろう。
 
朝があり、夜がある。
夜は思索の時間であり、一杯の時であり、怠惰な時間を過ごす自由を満喫する時間だ。朝があって、夜がある。五木寛之氏が『大河の一滴』で書いていたように、人生には陰と陽の対立した二つのフェイズがあり、そのどちらも大切である。明るさと同時に暗さ、陽気と同時に陰気も大事。プラス思考が大事なら、マイナス思考だって大事なのだ。そういう両面を尊重する精神は、五木氏から教わったものだ。
学ぶことへの意欲と好奇心がありさえすれば、人生はとても楽しいものだ。
退屈することもある。でも、今は色々なことが楽しく思われる。
誰かが作った基準に従うのではなく、自分で決めたことを自分なりに納得して出来るような歳にさしかかってきたからだろうか。
僕たちは、必ず死ぬ。死を前にして、おたおたしないよう、日々を精一杯生きるべきだ。『大河の一滴』はこの点で多くの教えを与えてくれている。個人的に、かなり大好き。是非、一読あれ。