菊正宗と飲み会について

日本酒の定番といえば、菊正宗です。
「やっぱり俺は、菊正宗 ほろよいエッセイ」という小冊子がキクマサピンについてきますが、結構面白いです。
荷風先生も、やっぱり菊正宗を好まれていたそうです。
大黒家で荷風セット頼むと、菊正宗一合がつきます。ほぼ毎日、カツ丼とお新香と菊正宗一合を食されていたそうです。辛口の熱燗を、ちょっと飲む。粋です。そんな話を伺ってからというもの、僕も菊正宗党になりました。

この国は、これまで伝統的に、酒を酌み交わして何ごとかを伝え合ってきました。
職場でも飲み会はたまにありますが、昔とは随分違ったものになっているのではないかと思います。
かつてあったかもしれない「家族的共同性」は、今ではすっかり影をひそめているというか崩壊していますので、イベント後の打ち上げ的な飲み会で、お義理で参加するもの。いわば職務の延長線上です。そういうわけで、ぼくはあまり職場の飲み会には参加しないようにしています。風邪を引いたとかなんとか、適当な理由を作って辞退します。
飲み会でしか本音を喋れない職場というのは、オープンな議論を封じられた、どこか不自由な職場のイメージですが、一方でこの国では、酒の席で本音をぶつけ合うという文化を育んでいたかに思われます(実際はどうだか分からないけど)。だとすれば、飲み会ですら「お義理」でしかないような職場に未来はありません。きっとこれは、どんな職種・業界であれ、事情は同じじゃないですか。接待という、明らかな「職務」もあるくらいですから。
でも、お酒くらい楽しく飲みたいものですね。
ちなみに、このブログの大半は、酔って書いているものです。酔狂ブログと改名すべきところです。