ぼくの整理術

これまで整理術の本は、結構たくさん読んできたが、実際の整理となると及び腰で暮らしてきた。
これまでも、本棚の整理は年に数回のペースで行ってきたのだが、今回抜本的な改革に踏み切った。
と言っても、実際に始めてみると、だんだん混乱してきて、何をどう整理すればいいのか分からなくなってくる。そもそも整理って? そんな初歩的な疑問が今さらながらに浮かんできて、また振り出しに戻されるといった具合なのだ。
そこで、これはぼくなりの結論なのだけど、整理術の要点は、
①机上に物を置かずにすっきりとさせ、
②現在進行中の書類やら本やらを本棚に立てて置き、
③稼働中でない書類や今はもう読まなくなった(あるいは当分は読みそうもない)本は、箱に入れて押入れにでも放り込んでおく、
ということなのではないか。

①机上に物を置かないようにするのは、机上は物置でなく作業場だということに気づいたからだ。狭い作業スペースでは、複数の資料を同時に広げられない。それでは机を使っている意味がないと思う。
②「現在進行形」「稼働中」という言葉がキーワード。本棚をあえて二つの機能に分けて考えたい。一つは、従来の収納場所としての機能(a)。そして、ここで提案したいのは、現在進行中の仕事に関する書類や本をコレクションしておく場所としての機能(b)だ。(a)は静的であり、(b)は動的と言えるだろう。ぼくは、(a)を「死んだ本棚」、(b)を「生きている本棚」と呼んでいる。机と本棚があるだけの小さな書斎(仕事場)において、大量の蔵書はかえって邪魔なだけだし、シンプルなデスクトップと生きている本棚さえあれば、必要にして十分なのではないか。
だとすれば、③のように今は見る必要のない書類や本は、どこかにしまっておいても構わない。必要なときにいつでも取り出せるようにリストでも書いて箱に貼っておけばいいのだろう。タグをつけておく感覚ですね。

今回の整理整頓でまず困ったのは、置き場のない本をどうするかであった。
なんたって、最近は月に十数冊のペースで増え続けているのだ。これは、多くの人に共通する悩みだと思うけれど、部屋の広さに限界がある以上、必ず突き当たらざるを得ない問題だ。
押入れの広さにだって限界がある。では、どうするか。
もう読まなくなった本、これから先も読む可能性が低い本は、思い切って捨ててしまうことにした。
書類についても同様。雑誌なども、本当に残しておきたければ、必要な記事だけ切り取ってファイルしておけばいいのだろうけど、ぼくの場合は、わりと本のように残しておきたいと思うような雑誌かそうでないかという判断基準が明確なので、いらないと判断した雑誌は捨てることにした。
まぁ、捨て方にも技術があるのだろうが、時間はあっという間に過ぎていくし、人生はそう長くもないように思える年齢になったせいか、とにかく「捨てる」というのが今日の結論である。