今日見たテレビ番組から

テレビ番組話題ふたつ。
今日NHK教育で放送された「こころの時代『生きるための仏教』大下大円」を見る。
大下大円というお坊さんの姿を通して、仏教の現代的意義を考える番組である。
ホスピスを作るための募金活動や、命を看取る看護師たちとの勉強会を行うなど、積極的な社会参加を通して、仏教の精神を今日に生かそうとする意欲的なお坊さんである。
キリスト教は、その博愛精神から、様々な社会奉仕活動に寄与してきたが、仏教においてはなかなかそうはなってこなかった。しかも大乗(他者の救済)を名のる仏教において、日本を含め、そうした社会参加的な活動が少なかった。かえって、小乗(自己の救済)を名のる南伝の仏教の方が(例えばタイのお坊さんなんかが)社会奉仕活動に熱心であったりするという話を聞く。
大円法師は、そんな現代の衰退した日本の仏教界にあって、異色の存在なのだろうと思われる。
大円法師は「寺は広義のNPO」と言っていたことが印象に残った。
上田紀行氏が、日本の仏教の現代的な意義を問うていたことが思い起こされる。日本にも、こうした外に向かって開かれた寺院があるそうだ。
上田氏が『生きる意味』(岩波新書)において、これからの時代に必要なのは新たなコミュニティーだ、NPOだ、と言っていたことと、響き合っている。

夜はNHKの大河ドラマ篤姫」を見る。
幕末にどうして薩摩が大きな役割を果たすことができたのか? そうした歴史的な関心がある人にとってだけでなく、ドラマとしてもとても面白く見ることができる。音楽も編集も、本当によくできていて、安心して見ることのできるドラマですね。こういう質の高いものを生み出す力が、日本のテレビ界にはまだあったのだということは、ちょっと驚き。