昨日のテレビ番組

昨日、『ガイアの夜明け』(テレビ東京)を見ました。
就職氷河期世代の今を追ったドキュメントでした。
ワンコールワーカーと呼ばれる日雇い仕事は、1日働いても7千円程度。貯蓄もできず、その日ぐらしの悪循環の中で、夜はネットカフェに寝泊りしながら、もう後に引くことのできない崖っぷちに立たされている。ぼくもグ○ド○ィルという人材登録のバイト仕事を昔したことがあるので、ちょっと想像できます。
また、フリーターや派遣で正規雇用のチャンスを失ってしまったこの世代の就職支援についても触れられていました。ある自治体ではパソナという人材派遣会社に委託して、就職支援教育を行っている。そこでは、笑顔を作る練習から自己紹介等のプレゼンテーションの仕方まで、さまざまな訓練が行われていました。キーワードは“コミュニケーション力”だとか。
あるベンチャーの会社では、一ヶ月のトライアル雇用によって正規採用するかどうかを決めていました。その会社の代表もまた就職氷河期世代。この代表が、トライアル雇用している若者について「(自分の知らないことを)質問したがらない」と評していたことが印象に残りました。ちょっと自分と重なって見える気がした。

一度チャンスロスすると、二度とチャンスがやってこないという今の社会のあり方は、やはり根本的におかしいのだという気がします。
幸い就職できたものと、いまだにフリーターやワンコールワーカーを強いられている人間の境目は本当に「コミュニケーション力」なのでしょうか。それって既存のコミュニケーション作法のようなものでしかないのではないか。フリーターに流れていったこの世代は、建前主義的な大人の価値観に嫌悪して、新しいコミュニケーションのネットワークであったり価値観の共有を目指して、自由な生き方を模索するといった、いささかロマンチックな面もあったのではないでしょうか。この世代だけが特にコミュニケーション力に欠如しているわけではない。ただ、「オレたち流の価値」と社会とを切り結ぶ術を知らないまま、団塊世代のように火炎瓶投げるようなやんちゃもできずに、社会構造の端境に取り残されているのではないか。必要なのは、橋渡しだし、そのための支援なのでしょう。チャンスを与えて、努力するものが報いられるようにすることが大切だと思います。政策が必要でしょう。

昨日同じ時間帯に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)は、ビデオに録って後から見ました。こちらは、都内のある中学校教師を追ったドキュメントですが、「プロフェッショナルとは?」の問いに、彼女は次のように答えています。
“情熱がまずは第一条件。で、情熱だけではダメだなってことを体験したので、やっぱりそこに技がなくちゃいけないな。で、立ち止まることなく、いつもいつも研究をし続けながら現在進行形の人のことです。”
とても感動しました。「人は人の中で育つ」というのが信念とのこと。エンカウンターという教育方法についても紹介され興味をそそられましたが、そうしたもろもろの先に、こういうクラスを作れたら本当にすばらしいな、という思いを強く持ちました。教員必見の番組でした。