ポスト植民地時代とグローバリズム

いろいろと分からないことがある。
どうして先進諸国では少子化が進むのだろうか。
高度経済成長のピークを過ぎると、バブル経済が起き、経済的混乱の後、景気の停滞と不況が起き、リストラや破産が進む。これは先進諸国のすべてが辿る道なのだろうか。(ヨーロッパ各国も、アメリカも、経験したことなのか。)そうであるなら、例えば経済成長著しい中国の未来においても起こることか。
それにしても、少子化という現象は、これまでに世界史の中で経験されたことはあったのだろうか。

日本はグローバル化の中で、新自由主義経済という方向に舵を切った。その結果として、現在の日本がある。
少子化も格差も貧困も、すべては社会的な構造の上で起きていることだと認識されるようになった。
グローバル経済とは何だろうか。
世界システム論」によれば、進歩の早い遅いが先進国/後進国を分けているのではない。先進国が主導権を握り、後進国が生産を担わされることによって、すなわち後進国が先進国を支える世界的構造によって、それは作り出されたという。

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(川北稔 『世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界』 ちくま学芸文庫

であるならば、IT技術によって情報が国境を超えるようになった現在、貿易その他の不公正を是正しようとする動きが生まれてくる。植民地主義によって後進国にさせられていた国々が、格差を利用して貿易で黒字を出す。植民地主義の揺り戻しが起きる。それがポスト植民地時代の経済=グローバル経済ということではないのか。
アメリカでも格差と貧困が大きな問題だが、アメリカは新自由主義によって行きつくところまでいったということだろうか。格差と貧困は社会の不安定化を生む。アメリカはトランプによって「アメリカファースト」の旗を立てなければならなかった。貿易戦争を起こさなければならなかった。アメリカの対外政策も、実は国内を統治するためのギリギリの駆け引きだったのかもしれない。そのあたりの事情は、国際政治の専門家の話を聞いてみたいところである。