シーナ&ロケッツの古い映像を見て



過去の映像が容易に見られるようになったことは、著作権問題はさておき、画期的なことだ。
シーナ&ロケッツが全盛だった時代に幼少期を送った自分にとって、彼等の映像をリアルタイムで見た記憶がない。でも、こうして残された映像を見ることで、当時の時代の空気を感じることができるし、彼等の燻銀な演奏を知ることができる。なんというか、もう一度時代を生き直せるとでも言おうか。
僕が鮎川誠を知ったとき、彼はもう老齢で、シーナも若くなかったから、いい歳して頑張っているなという印象しかなかった。でも、当時の彼等の映像を見たら、同世代の仲間のような気がしてくるから不思議だ。
こういうことが、自宅の書斎で経験できるようになったのも、ネットのおかげである。
音楽にとって、ネットは、その消費行動において、何等かの変化をもたらしただろう。CDは売れなくなり、個人的にはライブに足を運ぶことも少なくなった気がする。ライブのチケットは、高くなりすぎた。(僕が高校生の頃なら、外国人アーティストのチケットも、S席で8000円とか90000円くらいだった。それが今や15000円とかでしょう?)
でも、映像としての財産が、未来永劫にわたって受け継がれていくだろう。
時代の空気までもが映像の中に密封されて、未来の音楽人たちが過去を生き直す貴重な資料となる。
そういう意味で、今のアーティストには、ライブ映像をたくさん残してもらいたいものだ。