モリコーネの音楽

エンニオ・モリコーネといえば、イタリア映画音楽の巨匠だが、なんといっても外せないのは「ニューシネマパラダイス」の音楽。
情感溢れる曲想は、映画を見ていなくても思わずその世界に引き込まれる。


 映画は、中年の男が故郷と幼少期に思いを馳せながら涙を流すラストシーンが印象的だった。
 ラストシーンはこんな感じだ。


 シチリアの片田舎の映画館パラディソで、教会の圧力でカットしたキスシーンを、映画技師アルフレードが隠れて編集していたものだ。それをトト(主人公)が見て、涙を流すのである。
 その涙は、自分を映画人へと育ててくれた亡き映画技師アルフレードへの思いというばかりでなく、人生というもの儚さと美しさを讃えるものでもあっただろう。
 人生が中年にさしかかるとき、来し方行く末を見はるかすことが、きっと誰にでも起こるのだろう。

 パット・メセニーチャーリー・ヘイデンのシンプルなアコースティックな演奏はこちら。