閉会中審査を見た感想3

安倍首相は、今治の申請について、
「それが加計学園だと知り得る立場にはあったが、数十ある提案について一つ一つを逐一知っていたわけではない。1月20日に事務方からの説明を受けて、初めて承知したところ」
と述べている。
野党は、これまでの答弁や閣議決定文書、あるいは今治市の開示文書等から、安倍総理の矛盾を厳しく追及している。

ここでは、別の観点からこのことを考えたい。
国家戦略特区という制度が、「国家戦略」の名に恥ずかしく、相当矮小化された代物であるのが現実であったということだ。
仮にもそれが「国家戦略」であり、大きな意味を持つ取り組みであるなら、「数十ある提案の一つ」のような軽々しい扱いをするべきではないし、その程度の軽い扱いを受けるほどの提案なのに、なぜか「スピード感をもって取り組め」などと指揮をする。
安倍首相は、一体「国家戦略」をどの程度真剣に考えていたのかと疑念を抱かざるを得ない。

また、昨日の加戸前知事が前川氏に対して人格否定発言を行ったことは、僕には驚きだった。議論におけるルールを分かっていらっしゃらない。反論には反論で返すべきであり、人格否定発言をするのはルール違反である。
加戸氏が答弁に立つのは、獣医学部新設の経緯についての説明というより、安倍首相擁護にしか見えないのである。
こうしてみてくると、今起こっているのは、安倍首相批判に対してスクラムを組む安倍首相擁護派および極右集団の弾圧のようなものではないだろうか。
一部のネトウヨのトンデモツイートが氾濫しているし、YouTubeにはどれも同じような静止画面と写真・字幕キャプションで飾られた映像(音声)がこれでもかと拡散しまくっている。
こうしたトンデモツイートやトンデモ映像(音声)を拡散している人たち、また安倍批判は一部テレビやマスコミの偏向報道のせいだとして攻撃している人たちは、問題の本質をずらしているにすぎない。