川村カオリ

僕の青春時代に、同時代を生きたアーティストとして川村カオリがいる。
僕の高校生時代は、彼女は短髪のボーイッシュなイデタチでメディアに登場した。
彼女は2009年に癌の転移で亡くなっている。当時は、そのあまりの若い死に衝撃の声が多かった。
僕も、川村カオリの若すぎる死にショックを受けたひとりだ。

今、YouTubeで、生前の彼女の映像をあまた見ることができる。
死を前に彼女が何を思い、何を感じ考えて生きていたのか、映像をつうじてあますところなく知ることができる。
それは、現代のメディア環境の発展がもたらした幸いのひとつである。
しかし、それはまた、彼女の苦しみを共有する現代の私たちの苦しみの表明でもある。
そして、現実に私たちは、映像を通じて、川村カオリの苦しみを知ることができ、
彼女の死に至る軌跡を辿ることによって、川村カオリのすごさを知ることもできる。
それは幸いである。

僕のカワムラカオリに対する尊敬の念は、現代のネット環境がもたらしたものと言える。