授業のネタ帳

自分が教師として日々働きながら、仕事の軸にしていることって何だろうか?と不図考えた。部活動やらなにやらと仕事は尽きることがない。休日を返上して頑張る人もいるが、自分にはそこまではできない。というか、自分の本当の仕事って何だったのだろう?と立ち止まって考えてしまうのだ。
教師の仕事は、原点として、子どもの能力を伸ばすことにあったはずだ。
そう考えると、すべてがシンプルに見えてくる。
つまり、その仕事は、子どもの能力を伸ばすことに役立つのか否か。
そう考えると、無駄な仕事というものにも気づく。また、自分の本領は何か?という問いを改めて自分にし直すチャンスにもなる。
教師にもいろいろあるだろう。
授業が大事だということは、もうずーっと叫ばれてきていることなので、誰も疑う余地がない。しかし授業だけが全てではない。課外活動の中で、子どもと関わり育てていく教師もいるだろう。例えば部活。そう、部活も大事な教育活動の一貫だ。スポーツに限らず。文科系も含めて。少なくともこの国の中学校以上の学校では、部活動の占める比重は無視できないものがある。
 
しかし、全ての教員は、必ず「教科」によって採用されている。
つまり教員は、教科の教育を専門とする。それは小中高の全てに言える。
であればこそ、授業をよりよくする工夫を、常に心がけてもいる職業人であるのだ。
教員の仕事の専門性とは何かと言えば、こうした授業へのたゆまぬ努力であろう。教えるということを突き詰め、与えるべき課題と材料(教材)を豊富に持ち、絶えず子どもたちの実態を観察し、その時に必要な教育的実践を施していける人。それが教員という専門職の姿である。
その仕事の軸には、必ず、良い教材と指導法への飽くなき探求があってしかるべきだ。僕はそれを「授業のネタ帳」と考えている。
お笑い芸人のネタ帳のように、授業のアイデアをネタとしてストックする職人芸。ネタ帳作りを楽しむのが、教員の究極の理想ではないかと想っている。