クラシック・ギターを試奏した

先日、楽器屋に行って、クラシックギターを試奏させてもらった。
ぼくは「初心者向きのギターって、どんなのがいいんでしょう」と質問。
店員さんは、次のように言う。

「初心者といっても、ギターって一度買ったら、なかなか買い換えられないし、下手すれば一生ものになる・・・・・・だから、初心者といっても、安いギターがいいとは言えないんですよ。ギターには合板と単板があって、一生使うなら単板です。使っているうちに、ギターはどんどん音に深みが出てきますが、それを味わえるのは単板の方です。合板は丈夫ではあるけれど、いい音がしない、単板のギターをおすすめします。」

なるほど。合板か単板か、そこから考える必要があるのか、と思った。
杉と松の違いは、正直言ってそれほどよく分からなかった。店員の説明を借りれば、明るい音=松、暗い音=杉、ということらしいが、好みの差としか感じなかった。
それより、合板と単板の鳴りの違いの方が圧倒的だった。
店員は、アントニオ・サンチェスを薦めた。このギターはそんなにメジャーなブランドなのですか?と質問したところ、スペイン製のギターで、低価格から中級製品までを生産しているメーカーなのだとのことだった。アントニオ・サンチェスの12万(実売価格)と、5万(実売価格)を比較したのだけれど、低音弦の響きで、12万がいかに優れているかが分かる。5万でも、ナイロン弦のアコースティックな音はする。でも、12万は、やっぱり響きが優れていた。音の伸びもよいし、響きに深みがある。
店員に聞くところによると、10万以下で買えるのは合板であって、単板は中古でない限り10万はするものなのだそうだ。

また、日本製のギターと比べてどうかを聞いた。
店員の説明は次のようなものだった。
今、クラシックギターは、中国製や日本製があって、中国製に比べたら日本製は断然つくりが丁寧。スペイン製よりも日本製の方がきれなつくりである。しかし、丁寧すぎて塗装が厚い。スペイン製はラフな塗装だけれど、その分、木の鳴りを殺さないので、音が遠くまで響く。日本製は自分にだけ響いていて観客席には届かない欠点がある。スペイン製は、広い会場で弾いても、遠くの観客にまで音が届く。

なーるほど。たしかに、そこまで言われれば、「単板・スペイン製」がクラシックギターの王道であるような気がしてきた。

その後は、やたらとセールストークっぽくなってきたので、適当なところで切り上げて店を後にする。

アントニオ・サンチェスも選択肢の一つではあるけれど、他のブランドにもあたってみたい。
ちなみに、福田進一が使ってるギターと、アンドリュー・ヨーク(Andrew York)、木村大が使っているギターは、ヘッドの形が似ているんだけど、あれってエリック・サーリンのギターなんだろうか。
あのヘッドの形は、本当に美しくて、好きだな。