穂村弘について

かつて10代だった頃、未来に希望を持っていた。時はバブル景気に浮かれていて、東京に出れば刺激に満ちた楽しい時間と空間がそこに待っているような気がした。
でも、バブルはあっけなく消えてしまった。
あの頃、僕はコドモだったし、初恋のような淡い期待を未来に対して抱いていた。田舎の辺鄙な町に暮らしていた僕にとっては、テレビを通してしか広い世の中を知るほかなく、そして実際に、テレビ画面の向こう側には広い世界があった。
バブル景気が崩壊して、失われた10年を経験した現在においても、あの時代の熱狂はなんだったのかと思う。その時代を生きたものにしか分からないような空気感が、確かにそこには存在していた。

穂村弘という歌人がいる。
僕は、今日彼のことをインターネットで調べてみたのだが、とても興味深い人である。ということを知っている人が少なからずいる、ということが分かった。
彼の文章に興味を持つ。
彼は、あのバブル期の熱狂と喪失感を見事に表現しているのだそうである。
是非探して読みたいと思う。