阿久悠氏逝去

阿久悠さんが亡くなったそうです。
彼は、ぼくにとっては歌謡曲をいっぱい作った人という印象が強いです。あまりテレビで見たことはないけれど、名前は強烈な個性を訴えかけている、そんなイメージを持っていました。
最近は、前文化庁長官で心理学者の河合隼雄氏や市民運動家で作家の小田実氏らの逝去が報じられたばかりでした。
小田さんといえば「ベ平連」や鶴見俊介氏との親交、また若者世代にとっては『何でも見てやろう』に影響された人が多いのではないでしょうか。僕なんかは直接影響を受けた世代の次くらいの世代で、沢木耕太郎を通じて小田さんの存在を知ったクチですが……。
沢木さんの『深夜特急』は、大沢たかおのドラマ化もあって、団塊ジュニアにとっては同時代的な感覚があります。『深夜特急』の初版の年からすれば、かなり不思議な現象ではあるけれど。
90年代後半から今日にかけてバックパック担いで世界を旅している若者にとっては、きっと思い当たることがあるはずです。僕なんかインドで、現地のインド人に「お前は『深夜特急』知ってるか?」と話しかけられ、「俺はエキストラで出てるんだ」とか何とかいいつつ「ハシシは欲しくないか?」と麻薬の売人に引っ張られそうになったことを思い出します。
そんなこんなで、著名な方が矢継ぎ早に亡くなられ、気づけば一つの時代の終焉に思いを馳せずにはいられません。