ついに始まった

足立区が、学力テストをもとに予算配分を決定する方針を出しました。
学校間競争によって、「教育の質」を高めていこうということのようです。しかし、公立学校は地域に存在しており、地域格差やその他の問題を度外視して、テストの点数だけで教育の質を測るというのは心外です。つまりスタートラインが子どもによって違い、学校という場所は、さまざまなスタートラインに立った子どもたちを等しく受け入れるべき所です。そもそも所得水準の高い地域の子どもたちに、予算を多く配分してみたところで、その他の地域にとっては始めから競争になっていないのです。これは差別の拡大でしかありません。学力の低い学校に対してこそ、手厚い保護と援助を行うべきです。
学校の組織力、地域に対する細やかな配慮、そういう視点を行政のトップが持たないということは、学校管理のあり方を殺伐としたものにするのではないかと危惧されます。学校管理職は、こうしたムリな学校競争を過度に煽るように機能し、ただでさえ忙しい教員を追い込み、無気力の連鎖を生むことになりかねません。また、教育の内実を痩せ細った「成果」主義へと退廃させていくことになりかねません。もっともらしい成果の報告書が数多くなされながら、教育の内実は空洞化していくのです。