現代文の勉強法

現代文の勉強法は、かなり分かりづらく、勉強しても点数に結びつきにくい教科であろう。

参考書についても、それぞれ一長一短で、これと言えるものが見当たらないのだが、強いてあげるとすれば、高田瑞穂の書籍が参考になる。

ただし、これは相当力がないと、自力で読み進めるのは難しいかもしれない。

ただ、教師の立場からすると、市販の一般的な参考書は「一長一短」であり、それほど面白くもなく、これといったものが見つからないのも事実なので、それなりに骨のあるものをと考えると、どうしても高田瑞穂の本がおススメしたくなる。

高田瑞穂が主張するのは、筆者の論を正確に辿る「追跡」という方法である。与えらてた文章を、どれだけ「正しく」追跡できるか。そこが重点的に語られている。

ただ、先ほども言ったように、相当な力がないと自力では読み進められないので、受験生は安易に手を出さない方がいいいかもしれない。

ちなみに、高度なレベルの受験参考書としては、

「現代文と格闘する」が挙げられる。

この参考書は、本文の読み取り方について詳述している参考書ではあるが、

問題形式になっているくせに解答解説は不十分なので、それほどお薦めできない。

設問もかなり怪しい問題設定になっている箇所があり、受験生を混乱させるだだけのように思われる。

ただ、意外におもしろい設問もあって、考えさせられるところもあるので、一長一短と言える。

そうは言っても、受験生にとって、どこが考える価値がある部分なのかは判別しづらいだろうから、やはり手を出さない方が無難ではないだろうか。少なくとも自学自習テキストとしては危険である。教師が解説して伴走してくれるなら、使う価値はあるだろう。

現代文の勉強法は「読書すること」という言い古された教訓は、それに反論する向きもあるのだが、やはり本当のことだと言わなければならない。

多様な問題に対する活発な問題意識がベースにないと、現代文は歯が立たないからである。たくさんの本を読みこなすのは、並大抵ではない。やはり多くの問題に対する興味・関心がなければ膨大な読書はできないわけで、その意味で、読書家であることは、現代文学習の基礎を固めるための条件である。

ただ、受験生は限られた時間の中で得点を上げることが最大の関心事であるため、そんな悠長なことを言ってもいられない。

そうであるならば、問題演習や過去問演習で出会ったテキストを深く読み込み、活発な問題意識を働かせる訓練をし、同時に筆者の主張を「追跡」する訓練を積み重ねれば良い。

「追跡」するためには、本文を読みながら「感じたこと、考えたこと」をできるだけ正確に文章化するのがいい。手書きではスピードが遅く間に合わないなら、キーボードに打ち込むのが良い。(今の子供達はタッチタイピングを身につけているでしょう?)

これはおすすめの勉強法である。

設問解答にあたっては、なぜその答えにしたのか、思考の軌跡をできるだけ文字化して残すようにしよう。問題を解きながら、PCに文字を打っていくのだ。

解答を見て、間違っていた問題については、なぜその答えになるのかを徹底的に追究しよう。問題作成者が馬鹿でアホな問題&解答になっている可能性もある。そんな設問を見つけたら、「こんなアホ問題で、国語学力の一体何を測ろうとしているんじゃ、ボケ」と叫ぼう。

ちなみに、国語教師である私は、しょっちゅう叫んでいる。

ただ、言語による壮大な思考地図の中で格闘することは、国語問題の醍醐味だることも確かなことである。