加計問題の論点整理(NHK)より

加計学園問題について、NHK「時事公論」で取り上げられている。

NHKが、この問題の核心部分について、公正的確な解説をしている点、また政権に対して疑問を呈しながら切り込んでいる点、評価できると思う。
前川氏の疑念に対する解答ではないが、ある意味応えたと言えるだろう。
とにかく、今の政治では論点ずらしの回答が多すぎる。
正面から答えず、論点をずらすことで逃げるが勝ちということだろう。
また、マスコミ取材者も、論点をずらされているのに何も反撃できない。
そんななか、官房長官東京新聞望月衣塑子記者のやり取りは注目に値する。望月記者は一歩も引かずに厳しい質問を繰り出している。

考えてみれば、こうした論点ずらしの「議論」が、これまで常套となっていたのだと思う。これはお上だけの問題ではなく、下々も同じような構造でやってきたのではないか。そして、ある種の空気が醸成され、誰も何も言えないという状況の中で、既定事実化され、問題が糊塗されるのだ。
ここに、二つの問題意識が生じる。
一つ目は、「何も言えない大衆」の側にも、大きな瑕疵があるということ。
マスコミが権力によってコントロールされてしまうとすれば、これは、この国の「大衆」の瑕疵を象徴しているに過ぎないのかも知れない。
二つ目は、このような「論点ずらし」の「議論」が国民に誤った教育効果を持ってしまうことだ。大人がこんな議論しかできないとすれば、子どもや若者たちが、それを学習してしまい、やはりそんな議論しかできない日本の未来を作って行ってしまうのではないか、と危惧される。