今生の可能性を見極める

今生に生を受け、80年近い人生を歩むことになるのが平均の昨今。
そんな恵まれた現代にありながら、若くして無駄に命を落さざるを得なかった者たちに、心から哀切の意を表したい。それと同時に、今現在フクシマにおいて命を賭して仕事をされている方々に心から哀悼の意を表したい。彼等は命を犠牲にして闘っておられるのだから。
震災はさまざまなこの国の形を炙り出しもした。原発エネルギー政策依存、高度消費社会、責任所在の不明確性、海外からの旅行者依存、等々。
こんな時代を見限りたい気持ちもあるが、誰も自分の生まれる時代を選べない。
 
人はいつか死ぬ。自分もいつか死ぬ。
 
この自覚に立って、今自分がどのような流れと状況の中を生きているのかを、冷静に見つめたいように思う。
日常は煩瑣な事柄に満ちているでしょ。そんな雑事に頭の中を一杯にしたまま人生を終えるのは悲惨なことである。より高い認識の地平にたって、より見晴らしのいい場所にたって、僕は自分の生を眺めてみたい。そのためにこそ、いろいろなことにも耐えながら生きていけるのではないか。
音楽は直感的に、僕たちに自分の生の様々な可能性を示唆してくれる。
その直感をいつまでも大事にしたいと思っている。